模擬テスト 成績表の見方②

模擬テストの成績表の見方シリーズの2回目です。
前回は「過去の自分の成績と比較すること」「偏差値について」を簡単に説明しました。
もし、こちらの記事から読んでいる人は以下の記事を先に読んで下さい。

模擬テスト 成績表の見方①

それでは今回は実際の偏差値の推移を見ていきたいと思います。中学生のデータを使って説明していますが、小学生のデータも基本的には同じように判断してもらって大丈夫です。

成績が順調に伸びている場合

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この3人の偏差値の推移のグラフは順調に成績が伸びている様子です。国語、数学、英語の3教科、理科、社会も全て右上がりのグラフになっています。
お子様のグラフがこのような感じであれば全く問題ありません。

お子様が頑張っていることを褒めて、この調子でがんばってもらいましょう。

成績が伸びていないが問題ない場合

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こちらの2人のグラフは教科によっては少し偏差値が上がっていますが、逆に偏差値が下がっている教科もあります。
一番右の「総合での偏差値の推移」を見ても1上がっているか1下がっているので、それほど成績が伸びているわけでは無いように見えます。

しかし、このグラフは全く問題がありません。それよりかすごく頑張っているグラフになります。

ポイントとなるのは「総合での偏差値の推移」が上は65付近、下は60付近になっています。偏差値が60以上でキープできている場合は多少グラフが上下していることは気にしなくて大丈夫です。この偏差値をキープ出来ている時点ですごく頑張っているのです。

確かに上のグラフは理科の偏差値が63から57、下のグラフは数学の偏差値が62から59、また社会の偏差値が50位と気になる所があります。しかし、この成績を取るお子様は自分でその点を理解していることがほとんどです。ですので、悪いところをあえて指摘するのではなく「よく頑張っているね」と伝えるのが良いですね。

成績が伸びていますが、同じような傾向で保護者が気になるグラフはこんな感じですよね。

上のグラフは全体的に右上がりで伸びているけど、数学が63から55と大きく下がっていて不安になります。
下のグラフも理科が61から54まで下がっていて心配になりますよね。

保護者がパッと見て気になると言うことは、子供も同じところが気になっているはずです。どうしても悪いところは気になってしまいますが、全体的には伸びています。
こういった場合も先程と同じく、悪いところを指摘するよりも全体的に伸びていることを認めると良いでしょう。

成績が下がっている場合

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この3人のグラフは先程までと違い、全体的に右下がりのグラフになっています。8月は4月と比べて成績が下がっているのがわかります。
どのくらい偏差値が下がっていると危険かというと「3科、5科の偏差値が5以上下がっている」です。

このような成績表をお子様から見せられると、保護者の方はショックだと思います。

保護者

ちゃんと勉強しているの?
次はしっかりやりなさいよ!!

など、言われることも多いですがこのように怒ってもあまり意味がありません。もちろん、親として怒ることもすごく大切です。しかしもっと大切なことは「成績が下がっている原因を見つけて改善する」ことです。ここまで全教科の成績が下がっている場合「学校の授業をちゃんと聞いているか」を確認する必要があります。

1週間の中で子供が1番長く過ごしているのは学校です。その学校で勉強が出来ていない、勉強をしていない場合は成績は下がっていきます。懇談の時期では無くても一度学校の先生にお子様の授業の様子や宿題の提出状況など聞いてみることをおすすめします。

また塾では連絡をいただければいつでも懇談の時間を取ります。「どうして良いのかわからない」「子供が親の言うことを聞かない」などあると思います。そのような場合は是非、塾に連絡するようにして下さい。

気をつけないといけない場合

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それでは最後に気をつけないといけない成績表です。国語、数学、英語はすごく伸びていて、理科、社会は下がっている。でも、総合の偏差値を見ると下がってはいないので問題なさそうに見えますね。

しかしかなり危険な可能性があります。それは「学校の授業をちゃんと聞いていない」「学校の授業態度が悪い」可能性があります。

すごく要領が良くかしこいお子様の場合が多いです。学校では適当に過ごして、塾の勉強はしっかりとこなしている。だから塾で授業をしている3教科はしっかりと成績が伸びていて、塾で授業をしていない理科、社会は下がっているのです。これだけ3教科の成績を伸ばしているお子様なら、学校の授業を聞いて、テスト前の学校の提出物をきちんとやっていれば理科、社会の成績も現状維持もしくは成績を上げることが出来ます。

このような成績表のグラフになっている場合も、一度学校の先生に授業の様子などを聞いてみると良いでしょう。

まとめ

この偏差値の推移を見るだけでもお子様の状態がある程度わかります。
ただ、大切なことは「テストの成績は今まで過ごしてきた結果である」と言うことです。

この結果を見て、「過去の良くなかったことを反省」して「これからの改善に役立てる」事が大切です。

結果が良かった場合はこの調子で頑張っていけば良いですが、悪かった場合は今までのやり方で勉強をしても成績は伸びていきません。
これは勉強だけでは無く、スポーツや芸術活動などでも同じですが結果を出すためには「正しいやり方」「練習する」事が大切です。

「ちゃんと勉強しなさい」「宿題をちゃんとしなさい」では何も改善されないんですね。成績が伸びていないお子様は「ちゃんと」がよく分かっていない、もしくは分かっているけど出来ないんです。「学校の宿題は◯時にやろうね」「塾の英語の宿題は◯曜日の◯時からやろうね」「漢字や英単語の暗記は朝ごはんを食べる前に毎日やろうね」など具体的な指示が必要です。

色々試してみると「うまくいく事」「うまくいかない事」が出てきます。お子様によって合う、合わないが出てきて当然なのです。ですので、少しずつ色々な方法を試してみてうまく行った事を継続していきましょう。良くわからない場合は塾に相談して下さい。

次回は各教科や単元ごとの結果の見方を書いていく予定です。